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2013年2月8日 ・・・ マーヤからの脱却

いつもホームページを書きながら、
もっと気軽に、その時々の身近な思いをランダムに紹介できればと思っています。

けれど性分なのでしょう、
書いているとついつい気負いが出てしまい、
「読んでくださっている方にとって何か役に立つことを書かなければ」
という気持が湧き、
レポートのような硬い調子になってしまいます。

そして時々こうも思うのです。
言葉などというものは所詮(しょせん)はデジタルの世界、
どんなに言葉を弄(ろう)したところで、
最終的に真理に到達することはできない。

それをあたかも言葉をたくさん並べれば、
より真理に近づくかのように錯覚するのは、
真理とは対極とも言えるマーヤ(幻想)そのものではないかと ・・・ 。


真理、あるいは実体とはどこにあるのでしょう。

前回のページに、引っ越しの手伝いをし、
その時感じたことを書きました。

色即是空、形あるものはすべて虚しい、・・・
モノをたくさん見続けて、そんな心境になりました。

棚の中にたくさん並んでいる “いつか使うかもしれないモノ” というのは、
物質としてのモノそのものではなく、
「手に入れた時は高かった」という当時の記憶であり、
「使えるものだから捨てるのはもったいない」という執着であり、
「捨ててしまえば同じものは二度と手に入らない。
 後できっと後悔することになる」という恐怖、
こういった感情なのだということを身にしみるように感じました。


あれから三日経ち、その思いはますます高まってきて、
何を見ても、
「この目の前にあるものは一体何なんだろうか?」
という思いが頭から離れません。

モノという形は目に入っても、
それが本当に実体を伴ったものであるのかどうか、
そんなところから疑問を感じます。

あるいは、すべては自分が勝手に想念で以て創造し、
それに感情で色づけしているものなのではないか、
モノから自分の思いをすべて取り去ったなら、
その瞬間にガスのように消え去ってしまうのではないか、
そんな風にも思えるのです。

モノに絶対性はないということは以前から感じていたことですが、
その上さらに、モノの存在そのものがより希薄に感じられるようになりました。


ヒランヤという有名なパワーグッズを開発した瞑想指導家 故山田孝男氏は、
自らの覚醒体験をこのように語っていました。
「もしあの時に体験した世界を夢や幻と言うのであれば、
 私たちが現実と認識しているこの現実世界こそが夢であり幻であろう。
 それぐらい覚醒体験で認識した世界はリアリティー(現実感)にあふれ、
 実体を感じさせるものであった」

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これは多くの精神的指導者が、
『この現実世界はマーヤ(幻想)である』
と語っていることと一致します。

自分はまだ覚醒体験はしたことがないのですが、
頻繁に体外離脱をしていた当時に見たビジョンは、
今でも鮮明に記憶の中に残っています。
あれが真のリアリティーなのでしょう。

そう思うと現実世界は実に虚しいものです。
けれど虚しいものであっても、
自ら望んでこの世に生を受け、
そこから何かを感じたい、学びたい、気づきたいと願っているのであり、
そういう点で、その思いは100%リアルであり、
その思いの投影である現実世界は、
体験する自分にとって、
思いの中では完全なる実であると言えなくもありません。


形あるものはマーヤであっても、
その裏にある目に見えない、まだ公に認知されていない命の繋がりのようなもの、
そういったものの存在をも含めれば、
初めて実体としてのモノの姿が見えてくるのではないかと感じます。

この大宇宙は、実に精妙な命の法則によって律せられています。
共生・循環・フラクタル(自己相似形)、この三つの法則性は、
時間、空間、ミクロ、マクロ、・・・どう世界が移り変わっても、
決して崩れることはありません。

けれどただひとつそれが崩れるところがあります。
それが『すべての自然は秩序から無秩序へ進む』という
エントロピーの法則です。
  <再生への道>

この大宇宙は150億年前にビックバンで誕生して以来、
すべてのものが秩序から無秩序、
乱雑さの増大する方向へと進み続けています。
これは不可逆なものであり、
無秩序の状態から秩序ある状態へと逆戻りすることはありません。

テーブルの上にあるマグカップのミルクをこぼすのは簡単ですが、
それを元の状態に戻すには、
こぼすことよりもはるかに大きなエネルギーがいるのです。


きわめて大きな想像ですが、
人類がこのエントロピーの法則に支配され、
循環しない不可逆な世界に身を置いているのは、
目に見えるものだけを信じ、
マーヤを実体と勘違いしてすべての世界観を構築しているからないかと考えます。

エントロピーの法則、それの持つ呪縛から脱するひとつの手立ては、
一元的と思われている時間の流れを変えることです。
時間を元に戻すことができたなら、
無秩序なものも元の秩序ある状態に戻すことができるのです。

これはタイムマシーンを発明するということではなく、
時空の壁を超越した力を持つ人間の想念の力を再認識し、
想念の根本であり、すべてのものが持ち、繋がっている
命の本質を知ることです。

人間の想念は時空を超越しています。
ある瞬間に誰かのことを思うと、
その相手がどんなに遠くにいようとも、
その人の心を通し、過去からの因を動かし、
何らかの縁を生じさせる力が働きます。

この時空を超越した想念の働きを知ることは、
心の持つ力を知る上で最も基本的で大切なことです。
これまで何度もお勧めしていますが、
それを知るためにも、
是非とも臨死体験者である木内鶴彦氏の本をお読みいただきたいと思います。

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木内 鶴彦

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想念の力は、命の力の本質そのものだと考えます。
この想念、命というものをしっかりと理解し、
それを十分敬虔な思いで以て受け止め、活かしていくことができたなら、
エントロピーの法則で以て壊滅的なまでに破壊され尽くされた
地球上で暮らす人類にとって、
最大の救いになることと信じます。

たぶんこれが究極であり、唯一であり、
人類へのラストチャンスだと感じます。

そしてこれが解脱であり、アセンションであり、
人類が命の本質を体現する霊的存在へと昇華することではないでしょうか。


前回のページに、こんなことも書きました。

モノやお金がたくさんあること、
それを求めることが悪ではありません。

けれど縁あってインドのホームを訪ね、
子どもたちから素晴らしいメッセージを受け取った自分の使命は、
『吾(われ)唯足るを知る』という、
この言葉の示す深い世界を追い求めていくことなのだと考えています。




これも三日経って考え方が変ってきました。
今の人類の置かれている状態を考えたなら、
もうモノやお金を追い求めている状態ではないでしょう。

モノやお金自体に善悪という価値がないという考え方は変っていませんが、
そのモノやお金で今の究極の破滅寸前状態を作りだしたのですから、
次はその溜まりきった破滅エネルギーを逆のエネルギーで以て解放する番です。

人間だって生きるために吸って吐いての呼吸を際限なく繰り返しています。
それは人類のおかれている状態も同じです。
たくさんたくさん吸い切って、もうはち切れんばかりになっている胸を楽にするには、
いったん息を吐き出す道しかないのです。


持っているものを手放す、
やはりこれが今求められていることです。

恐怖を感じていては何も手放すことはてきません。
真のスピリチュアリズムとは、
自らを信じ、愛し、この命の偉大さに敬虔な思いを抱き、
今この瞬間、己の内に無限の喜びを感じることです。

2013.2.8 Friday  
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