企業活動の根底にあるもの<3>
それでは理想的な企業理念とはどのようなものでしょうか。

理念を越え、企業自体の存在価値、目的といったところまで深く追い求めて
考えてみますと、それは二つの点に集約されると思います。

1.企業の(量的、質的)発展によっていかに社会に貢献できる か。
  その発展を従業員、お客様、周りで関わっているすべての人たちの幸福に
  どのように結びつけるのか。
2.その企業の持つ独自性を明確にし、
  オンリーワンの商品、企業風土をいかに築き上げるのか。

この二つを追求することが真の企業のあり方であり、
それを明文化し、社員の行動指針となりえるものが理想の企業理念であると考えています。

企業理念に基づき事業計画が立てられ、年度末にはその事業計画の達成度とともに
企業理念の求めるところにどれだけ近づけたのか検証をする、
この流れの中でこそ企業理念の価値が生きてくるのです。


企業理念は、経営トップの方たちが集まって会議をし、
すぐに出来上がるというものではありません。
また外部に委託をし、お金さえ払えば、
いいものを提供してもらえるといったものでもありません。

理念を生み出すには、これまでの企業活動を振り返り、
将来の自社や周りの市場環境を見据え、
さまざまな考察を積み重ねなければなりません。

そして苦労して生み出した理念も、日々の企業活動に根付かせるには、
企業文化の再構築にも等しい努力が必要となってきます。

そうして苦難とともに築き上げた理念、
そしてそれを企業活動の中に活かした『理念体系』としてこそ
はじめて価値が生まれるのです。


また一度築き上げた理念体系も、前項と同様人体になぞらえると、
“足腰の強い企業”でなければその理念が空洞化する恐れがあります。

足腰の強い企業とはどのような企業でしょうか。
人が日常生活の家事や仕事を徹底して行うことによって足腰を鍛えられるのと同様、
企業も日常業務、その平凡な作業を徹底して努めるという
「トイレ掃除」のところでもご紹介した鍵山秀三郎氏の言葉の中に
それを導く鍵が潜んでいるように感じています。

凡事徹底―平凡を非凡に努める 凡事徹底―平凡を非凡に努める
鍵山 秀三郎

たかが掃除と言うなかれ―優良企業が凡事を徹底する理由
たかが掃除と言うなかれ―優良企業が凡事を徹底する理由
山本 健治

理想的な生きた企業理念を生み出し、それを日常業務の中で活かし、
永続的に維持できる足腰の強い企業体を作り上げる、
これが『企業活動の根底にあるべきもの』なのです。




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