インド・スリランカの旅
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2月10日  To クアラルンプール、チェンナイ





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我が心のインド




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いよいよ待ちに待ったインドへの出発の日、
出発直前まで仕事や私用で多忙を極め、
荷物等旅の準備も直前の数日で済ますというドタバタぶりで、
その日になっても本当にインドに行けるのかどうか半信半疑といったトホホな状態です。

インドでは半袖で過ごせる暖かな(暑い?)気候と聞いていましたが、
こちら日本では出発前日から強烈な寒波がやって来て、
昨日9日は大阪で11年ぶりとなる積雪5センチを記録したとか。
たしかに前日大阪駅に着くと線路や道路の上にうっすらと雪が積もっていました。


翌10日、雪模様はおさまったものの、
交通機関の乱れが心配です。
せっかくのインド行き、飛行機に乗り遅れてはしゃれになりませんから。

乗り込む飛行機はマレーシア航空 関西新空港午前11時10分発
マレーシアのクアラルンプール行き、
目的地の南インドには日本からの直行便がありません。

大きなトランクケース(サムソナイト)とリュックを抱え、
なんとか出発の三時間と少し前に関空に到着しました。
どうやら雪による交通機関の乱れはなかったようです。

無事到着したものの、心配の種がもうひとつあります。
私の持っているトランクケースとリュック、半端じゃなく重いんです。

インドについて最初の目的は、
南インド サンカランゴービルの日本山妙法寺の法要に参加することです。
私は他の団参で訪れる日本人の方たちより一足先に現地に着くので、
(主にご年配の)日本人の方用に日本料理の食材を持ってきて欲しいと
サンカランゴービルの木村千草庵主さんにFAXで頼まれていて、
それがトランクケースの約半分を占めています。

味噌、わかめ、そうめん、だしの素、片栗粉、マヨネーズ、漬け物、お餅・・・等々、
味噌は2キロ、そうめんは15袋とそれぞれかなりの量を指定されていて、
今考えると、よくこれだけの量を無事持って行けたものだと思います。
マヨネーズはつぶれず、そうめんも折れずにすんだのを
後日現地で確認してホッとしました。

それとホーム(孤児院)の子どもたちに文房具を、
と周りの知り合いに声をかけていたので、
鉛筆、ノート、折り紙等、これもちょっとした量があり、
トランクケースを閉めるのに苦労するほどパンパンな状態でした。

飛行機に乗る時は、
積み込んだり機内に持ち込める荷物の量には制限があるんですよね。
そんなことを直前になるまでまったく考えることがなくて、
飛行場まで送ってもらった知り合いに指摘され初めて気がつきました。

荷物の重量は半分以上が食料品、それと文房具、
着替え等私個人の荷物はほんの少しです。
どれも皆大切なものばかりで、荷物をカウンターに預けるまで冷や汗が流れます。

出発3時間前になり、マレーシア航空の窓口に行くと、
きれいなお姉さんたちが荷物や航空券のチェックをしておられます。

私も荷物を量ってもらいました。
ジャーン、見事に重量オーバーです。
規定は20キロ、サービスで5キロプラスして25キロが制限重量だそうです。

私のトランクケースは31.2キロ、規定を6キロ以上オーバーです。
南インドのチェンナイまでこの6キロの追加料金は、
なんと2万数千円だとか ・・・ これって食材を買った代金よりだいぶ高いです。

減らせるものなどないし、何とかならないだろうか ・・・、
途方に暮れていると、係のお姉さんが機内持ち込み荷物が10キロまでなので
リュックの方に荷物を移したらどうかとアドバイスしてくださいました。

リュックも荷物でパンパンでしたが、
リュックの重さは5キロほどしかなかったので、
リュックの中にお味噌などの重量物を移し、
なんとかトランクケースを規定値の25キロギリギリにしました。

ずっしりと重くなったリュックは12キロほどありましたが、
お姉さんは笑顔で許してくださいました。
ホント、ありがとうございました。


荷物を無事預け、これで第一関門突破といった感じで、
やっとインドに行けるんだという気持になってきました。

その後喫茶店でコーヒーを飲んで ・・・ とそんな細かいことはどうでもいいですね。
ともかく無事飛行機に乗り込み、定刻通りまずはマレーシアに向けて出発です。

今時の飛行機はすごいですね。
いろんな音楽や動画が座席前面のディスプレイで楽しめる他、
現在の飛行機の位置、高度、速度、外気温、目的地までの距離等の情報を
随時見ることができるのですから嬉しい限りです。
長旅の疲れも和らぎます。


約5時間でマレーシアのクアラルンプール国際空港に着きました。
到着直前、飛行機の窓から大蛇がのたうち回るような川(というより河)の流れが目に入り、
東南アジアの国に着いたんだという実感が湧いてきます。
マレーシアは日本との時差1時間、時計を1時間戻します。

着いてまず驚いたのは、その飛行場の美しさです。

マレーシア クアラルンプール国際空港

ここは有名な日本の建築家故黒川紀章氏作品(!)だったのですね。
ほとんど(だと思う)の国際線が離発着するゲートの中心部が上の写真、
ここからエアロトレインというカッコイイ列車に乗って入国手続きをする
メインターミナルビルへと移動します。

この時は乗り継ぎの待ち時間が5時間だったので、
この国際線ゲートからは出ることはありませんでした。
それにしても美しく、機能的で生命観あふれるすばらしい建物です。

マレーシアは華人が多く中国文化の濃いお国柄、
この日は旧正月(2月7日)直後でしたので、
お店に中華風の正月を祝う飾り付けが多数見られました。

下の写真はそんな店先で見かけたバービー人形、
女性の顔がマレーっぽくて、象に乗っているところにお国柄が現れています。

マレーシアのバービー人形

国際線ゲートの中をうろうろし、いろんなものを見てはいるものの、
マレーシアのお金(RM マレーシア・リンギット)を持っていないので
もっぱらウインドーショッピングです。

たぶん両替するのは簡単で、アメリカドルでもOKなのでしょうが、
なんとなくめんどくさいのです。

そうこうしている内に、一軒だけRMとアメリカドルの両方で
料金の書かれたメニューを掲示している店を見つけ、入ってみることにしました。

クアラルンプール国際飛行場で食べた美味しいピザとアンコールビール

ちょっと値段が高めでしたが、
アンコールビール(RM 19.00 約650円)とピザ(RM 12.90 約440円)を注文し、
窓から飛行機を眺めながら一杯やりました。

アンコールビールは日本でも飲んだことがありますが、
やはりマレーシアで飲むとひと味違います。
独特の苦みがこちらで飲むとジャストフィットです。

そしてピザ、これが旨いのなんの・・・、
生地が柔らかく歯ごたえがあり、上に乗っている具(と言うのでしょう?)も
実にスパイシーでジューシーです。
食べ物の味を的確に表現する文章力がなくて申し訳ないのですが、
日本で食べるピザと違い、味がふくよかで厚みがあり、
口の中でまったりと旨味が広がっていきます。
今まで食べたピザの中で文句なし一番でした。


クアラルンプールから南インドチェンナイに向けての出発は、
どっぷりと日の暮れた午後8時5分、
飛行機の窓からだいだい色に灯る道路沿いの電灯がきれいに連なって見え、
その光の帯が幾重にも重なって大きく広がる様は、まるで曼荼羅のように美しく、
その道を走る車に乗る人の彼の地での生活ぶりを想像すると、
なんともロマンチックな雰囲気になってきます。

マレーシアからインドへはほぼ西に進路を取り、
飛行時間3時間40分ですが、
太陽が沈む方角ですので時差2時間半を差し引くと、
時計は1時間10分しか進みません。

チェンナイ着午後9時15分ですが、
日本時間では翌日の午前0時45分です。

チェンナイの飛行場は海のすぐ近くにあります。
真っ黒な海の向こう側、海岸線を隔てて家々の明かりが
白やだいだい色にポツリポツリと灯っています。

少し曇っているように家がぼやけて見えるのですが、
近づいてみるとそれは雲ではなく、
それぞれの家から出る煙(水蒸気?)のようです。

どの家も人が暮らし、生活をしているんだ・・・、
いよいよインドに着いたという実感が湧いてきました。

飛行機は民家の密集地帯の真上を通り滑走路に着陸します。
こんな家のすぐ真上を通っていいのでしょうか?
さすがインドです。

滑走路に降り立った飛行機がしばらくして停止し、
飛行機のドアからターミナルへと続く通路を渡ります。
その通路には空港の係員が立っていますが、
当然ながらその顔はインド人、
さきほどのマレーシアの人たちとはまったく顔つきが違います。

マレーシアの人もインド人も、どちらも浅黒い肌ですが、
顔の濃さが違います。
マレーシア人はちょっとサッパリ垢抜けた感じですが、
インド人はなんとも濃い顔つきです。

昔出雲地方に住んでいたことがあり、
そちらではご当地言葉で“濃い”ということを“こゆい”と言っていたのですが、
まさにインド人の顔はこゆいです。

入国手続きを終え、無事トランクケースを受け取って飛行場のゲートを出ると、
ムア〜ッとした濃密な熱気と喧噪が漂ってきます。
これがインドの熱気でしょうか、気温もですがかなり湿度もありそうです。

チェンナイは海に近いので湿度が高いのでしょう。
この蒸し暑さとインド人のこゆい顔が
インド到着の通過儀礼(イニシェーション)のようです。

到着ゲートから外の通路脇の鉄柵沿いには、
到着する人を待つ人でごった返しています。
タクシーの客待ち、家族を待つ人、
名前の書かれたカードを持っている人もたくさんおられます。

私を待ってくれている人は・・・、
いました!!

昨年東京〜熊本を一緒に旅したスギルタンの弟スレッシュさんです。
両手に掲げたボードには、
「SAKAI NOVUO」と私の名前が書かれています。

スレッシュさんの顔は写真では見たことがありましたが、
お会いするのは初めてです。
けれども顔を見た瞬間に分りました。
お兄さんのスギルタンとそっくりです。

全体的な雰囲気はかなり違うのですが、
目鼻立ちや顔の輪郭などとてもよく似ていて、
私も彼を見た瞬間、思わず
「スギルタン・・・」とお兄さんの名前を呼んでしまったほどです。

とりあえず待ち人と出会えて万々歳、スレッシュさんに感謝です。

  
スギルタンは昨年二週間寝食をともにした仲ですので、
  親しみを込めて呼び捨てにさせていただきます。



大きな荷物をカートに乗せ、
スレッシュさんと一緒に来ていたラジさん二人に連れられて
空港前のパーキングに停めてある自動車へと向かいます。

日本で言えばジープのような車ですが、
インドはこのタイプの車がとても多いのです。

車の助手席に乗って道路に出て、
まず驚くのがその交通ルールのメチャクチャさです。

インドの道路は車、バイク、牛、自転車、人、・・・
なにもかもが渾然一体となってまさにルール無用の治外法権のような状態です。
そのひどさはなんと表現すればいいのでしょうか・・・、
「こんな走り方をすれば無謀だな・・・」と思いつく無茶な車の走り方を
いくつか上げてみてください。
だいたいその8割は実際にインドの道路で具現化されていると思っていただいて
間違いないでしょう。

車線などあってないようなもの、
前の車を追い越しできるとなると、
方向指示器や左右の確認などお構いなしに、
いきなりクラクションを鳴らして追い越しです。

その団子状態になった車の一団をすり抜けるようにバイクが走ります。
バイクはもちろんノーヘルです。
しかも二人乗り、三人乗りは当たり前、
多い時は100ccのバイクに5人乗って走っているのを見ました。

インドは信号機がほとんどありません。
普通の田舎町にはゼロです。
チェンナイやマドライなど都市部の中心街に少しあるだけです。
とにかく行ける時に行く、いかに対向する車列に割り込むか、
それだけが課題です。

特にビックリ仰天驚いたのが、
中央分離帯のある道路での斜め右進行方向への行き方です。

インドは日本と同じ左側通行、
ですので中央分離帯がある道路で、
交差点とか分離帯の切れ目以外の右手方向の目的地に行くには、
当然いったん行き過ぎてから進路を逆にとって戻るのが当たり前です。

ところがインドではこの常識が通用しません。
目的地に向け、対向車線に入って斜め右に突っ切るのです!!

インドは交通無法地帯

つまり手前の交差点に入り、
対向車線の左折専用レーンに逆方向頭から突っ込み、
対向車線の車の流れが途切れたところで、
車を逆送させ目的地に突っ走ります。
上の超ド下手なイラストでお分かりいただけますでしょうか?

よくこれで事故を起こさないものです。
インド人のドライバたちは天才的な腕を持っているのでしょう。

YouTubeにインドの交通事情を映したものがあったので貼っておきます。



インドの街は夜も元気、街角の商店は人があふれ、
インドに着いたばかりの私は見るものすべてが新鮮です。

お腹がすいているだろうとの気づかいで、
スレッシュさんの家(St.Boniface Anbaham 孤児院)に向かう途中、
レストランに寄ってくださいました。

店の前の駐車場には係りの人がいて、
ちょっと高級な感じのレストランです。

スレッシュさんがなにか分らない単語で
「みっつOKか?」と聞いてきたので、
私も分らないまま「OK!」と答えると、
大きなアーパム(だと思う)というホットケーキの薄いようなのが3枚と、
小さな器に入ったソースが何種類か出てきて、
そのボリュームに圧倒されました。

さきほど機内食を食べてまだお腹がすいていなかったのですが、
食べ残すと申し訳ないので必死に全部平らげました。
美味しかったです。でも超満腹です。

チェンナイの街から大きな幹線道路をしばらく走り、
例の対向車線の左折専用レーンから突っ込んでの強引な右折で田舎道に入り、
10分ほど車に揺られるとホームに到着しました。

かなり広い敷地のホームには、豊かな木々の中にいくつかの建物が点在しています。
けれどももう夜で暗くてよく見えません。
見学はまた明日ということで、
私はベットルームのあるきれいな建物に案内していただき、
そこで休むことにしました。

お腹いっぱいでちょっと苦しいですが、
今日は熟睡できそうです。

日本からマレーシア、インドと、
今日はとても長い一日でした。

それはそうでしょう。
なんせ今日2月10日は、私にとって27時間半あったのですから。

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