文字の力

ここ南インドの別天地のようなところで半隔離生活を続け、早二ヶ月半が経ちました。

ここにいて日々自由な時間を謳歌し、本もたくさん読むことができ、今は人生途中のモラトリアム(執行猶予)期間のように感じています。

ここは幸いインターネットが通じるので、情報を入手したり発信するのに不自由はありません。
これでもしインターネットが通じなければどうなっていたのか・・・、ちょっと想像し難いですが、それはそれで仙人のような暮らしができていたかもしれません。

インド最南端カニャクマリの気候は安定していて、日中直射日光の下で体を動かすと大汗をかきますが、それ以外では暑すぎて困ることはほとんどなく快適です。

何より豊かな自然と動物たちに心癒されます。
これは今日のおやつにいただいた美味しいパパイヤで、ここの敷地内で採れたものです。

パパイヤ

豊かな自然から恵みを受け、ネットから情報を入手し、課題なのはその入ってきたものをいかに健全に自分のものとしてアウトプットするかです。
特にロックダウン中のインドでは何も行動することができません。

けれどこれも幸いなことにインターネットのお陰で、ほぼ毎日覚え書きのようなメッセージを発信することができ、また多少なりとも拙文を読んでくださる方がおられるのを励みにすることができ、ただただ有り難い限りです。

けれどそのアウトプットは外に向けてであり、内に向けてのメッセージがここインドに来てからあまりできていないことに気が付きました。

ここ最近何度もこのホームページで「内を見つめる」大切さを書いてきました。
その内を見つめるとは己の内に目を向けること、内側からあふれ出るものです。

普段の生活の中であふれ出たものはすぐにその場で行動に移すことが多く、それで特に問題はないのですが、今は日本を離れた特別な環境にいて、思いついたことを行動に移すことができません。

そんな内からあふれ出たものが今すぐ実行できなくても、停滞させたりよどませたり、最悪消え去ってしまわないようにしなければなりません。

そこで溜まっている思いを己の内側に向けてのメッセージとして文字にして書き記すことにしました。

『過去からの不安、未来への恐怖が、最も大切な今を見つめる目を曇らせる』
この言葉をいろんな本の中で見かけます。

不安も恐怖もともに漠然としたものです。
「取り越し苦労」という言葉があるように、それらが現実化することはほとんどありません。

けれど多くの場合、それに直接目を向けるのが怖いため、漠然とした形のまま胸にしまい込んでしまいがちです。
そしてそれが酷くなった場合にはアルコール、ギャンブルといった現実逃避行動へとつながり、そこまで至らなくても、何らかのモヤモヤしたものは誰しも多少はあるものです。

もしそのモヤモヤが漠然としたものから生じているのなら、それを解消する根本的方法は、漠然としたものを漠然としないもの、つまり具体的なものへと換えることです。
つまりそれを直視し、そこから思いつくものを言葉にし、文字として記すことが最善です。

これはそんな大袈裟なことではありません。
今の自分にできること、やればいいと思っていること、漠然と不安や恐怖として抱いていることを解決するための具体的方法、そういったことをひとつずつ書いていく、それだけです。

自分の場合、インドという非日常の場にいて、思っていてもすぐにできないことが山ほどあるので、

• 日本に戻ったらすぐにしたいこと。
• これから戦略として取り組みたいこと。
• 今後日々の習慣として身に付けたいこと。

これらをノートに書き綴っていきました。
もうこれだけで気分スッキリ、やる気モリモリです。

今イメージするのはこんな光景です。
カーレースのスタート地点に車を置き、エンジンを空吹かししながらスタートの時を待っている。
けれどそのスタート待機時間があまりにも長いので、スタートしてからどのように走っていけばいいのか、それをコース上にチョークで描いてみた、そんな感じです。

このたびのコロナ禍の影響で、多くの人が生活のあり方を大きく変えることを求められていることと思います。
そしてそこには大きな不安や恐怖があるでしょう。

その根本的解決方法は、やはりそこから目を逸らすことなく考えつく限りの解決策を文字にして表に表してみることです。

漠然とした恐怖や不安は、そのままの形にしているといつまで経っても無限ループのように頭の中から消え去ることはありません。

漠然とした不安定な土台の上から明確な未来への指針を創り出すことは絶対にできません。

自分の場合は思いを行動に移せない環境を打破するために思いを文字化してみました。

今はあまりに変わってしまった現実を直視することができない人が多いかもしれません。
そんな方にもできるところから、例えば
『これをすると少しだけ幸せになれるリスト』
みたいなものを作ってみられてはいかがでしょうか。

・ 壊れたままの〇〇(電化製品)を修理に出す。
・ 〇〇さんにお礼のハガキを書く
・ 読みかけの〇〇(本)を読み切る。
・ 以前毎日続けていたヨガ体操を復活させる。
・ 大好きなハーブティーを買ってきて毎日飲む。

こんな身近で簡単なことをリストにして壁に貼り、実行できたことに印を付けていくとすごく楽しくて気持ちが明るくなります。

そしてこういった身近なことができたなら、次はより本質的なことに対しても心理的ハードルが低くなり、真正面から取り組みやすくなります。

自分が書いたものをお見せできればいいのですが、あまりにも雑然としたものなので、代わりに今使っているインドで買ったノートとスケッチブックの表紙をお見せします。

インドのノート

『ペンは剣よりも強し』
これは外だけではなく、自分に対しても言えることです。