咀嚼の大切さ

人間の肉体の根本構造は口から肛門に至る一本の管であり、それはミミズと同じ形状で、その一本の管に脳、感覚器官、内臓や手脚が付随していると考えると分かりやすいでしょう。

ですからよりよく生きるためにはこの管を健康に保ち、流れをよくすることが大切です。
そしてその第一歩が口から何をどのように入れるかということです。

多くの人は“何を”ということには意識を向けますが、“どのように”といいうことにはあまり気には留めません。

けれど寝る直前に大食すると良質の睡眠を取ることができず、爽やかに目覚めることができなかったり、早食いすると過食になり、ながら食いではついつい刺激のあるものを求めるようになったりと、どの様に食べるのかということは、生活全般のクオリティーに大きな影響を与えます。

天城流湯治法という体の痛みや内臓疾患等すべての怪我や病に大きな効果がある治療法、養生法があり、今急速に広がりつつあります。
自分はこの天城流を、整形外科医であり、九州の小倉で統合医学を志し、活動を続けている平野薫医師から知りました。
今全国で数十名の医師が実際の医療の現場でこの天城流を使い、大きな治療効果を上げているそうです。

これまで天城流の本を何冊か読み、動画も何本も観てきました。
そして創始者である杉本錬堂氏とも一度だけお会いしましたが、杉本氏が日頃の養生法として最も大切だと説かれているのが咀嚼です。
つまり食べ物をよく噛むということ、これが健康を維持するための最も大切なことであり、これがすべてだとまで言われます。

これはまさに真理だと感じます。
食べ物の食べ方、噛み方、これはその人の生き方そのものです。

早食いの人は何に付けてもせっかちで、物事を深く考えることができません。
逆に物事を深く考察する人で、食べ物をよく噛まずに飲み込もうとする人はいないでしょう。

咀嚼の仕方はその人の生き方そのものであり、それゆえに大切であり、また大切であるがゆえ、そう簡単にその習慣を変えることができないのです。

人間の生き方が容易に変えることができないように、その人の咀嚼の仕方というものもまた簡単には変えられません。
けれど生き方を変えるよりもよく噛む習慣を身に付ける方が容易です。
ですからしっかり咀嚼する習慣を身に付けることは、よりよい生き方へと導く極めて効率的な近道です。

この咀嚼の大切さについてはこれまで何度も書いてきました。
それは咀嚼が極めて大切なものであるにもかかわらず、それが一度頭で理解したたけでは容易に身に付かないからです。
そして自分自身にも、何度も書くことで意識付けをしたいという思いがあります。

子どもの頃はとにかく早食いで、毎回クラスで一番早く給食を食べるので、先生から罰を受けたことがあります。
小学生の時に友だち数名とプールに行き、付き添ってくれた友だちのお母さんとともにお昼のお弁当を食べました。
その時の食べっぷりがあまりに早かったようで、後日そのお母さんから自分の母親に、
「サカイくんはお弁当を食べるのが早いですね」
と言われてしまいました。
たしかにその時は食べ物を口の中に無理やりねじ込んだ記憶があります。

そんなふうに子ども時分から早食い習慣があったので、これを改善するのは容易なことではありませんでした。
本を読んだり人の話を聞いたりし、何度も気付いては直し、気付いては直しの繰り返しで、少しずつゆっくりと食べ物を噛む習慣が身についてきました。

今回久し振りに杉本錬堂氏の話をYouTubeでお聞きして、そこでもやはり咀嚼の大切さを何度も説かれていて、今回もまた思いをあらたにしました。

人生、こういうことの繰り返しです。
気付いては反省し、実践し、また時を経て再び・・・。

生き方も咀嚼の仕方も、少しずつ己の成長とともに進化していきます。

今回あらためて咀嚼のことを強く意識し、以前よりもゆっくり噛むようになり、より一層体調がよくなりました。
睡眠時間が短くなり、心も安定してきているのを感じます。

食事の時間はとても楽しみです。
「ここでまたゆっくりと食べ物を噛み味わうことによって、より健康になり、より一層人生が豊かになる」
そう思うとこんなに幸せなことはありません。

そしてその習慣を強く定着させるため、周りの人たちにも咀嚼の大切さを説き、こうしてこのページを書いています。

咀嚼というのは実に身近なこと、こんな身近なところに健康と幸せの大きなヒントがあるなんて、いつものようにこの時空の持つ深い英知を感じます。

けれど知識の多い現代人は、こんな簡単なことに気づけないんですね。
最も身近で大切なことな目を向けないで、より複雑で遠回りなことばかりをしているように感じます。
まるで一生懸命アクセルと同時にブレーキを踏んでいるようです。

今日は成田空港でグランドホステスをしていた女性の文章を読みました。
不規則な激務で、当時はお肌がボロボロだったそうです。
<肌はボロボロでコンビニ飯生活 航空会社で働いていた女性の悩み – ライブドアニュース>

◆2 コンビニご飯が基本

 続いては食事について。私の実家は千葉県成田市です。実家暮らしをしながら空港で勤務ができる恵まれた環境にありました。しかしながら、家で食事をすることはほぼゼロ。母は食事の用意をすると言ってくれていましたが、不規則なシフトに付き合わせるのは申し訳なく思っていたのです。忙しさ、面倒臭さを理由に自炊もしませんでした。

 その結果、朝は抜き、昼は空港内のコンビニエンスストア、夜も帰り道にあるコンビニエンスストアと「コンビニ大好き人間」に。

 野菜? 肉? きのこ? 食べません。食事よりもメイク直しに時間をかけたかったし、手っ取り早く簡単に食べられたらなんでもよかったんです。からあげやアメリカンドッグ、パスタは登場率が高かった。

 お肌への栄養は? なんとなくサプリメントは摂っていましたが、基本の食生活がガタガタではキレイになるのは難しいです。高額なスキンケアを取り入れたりもしましたが、当時の私に言うならまずは中から。ビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルを摂って! です。

こんな生活をしていたらお肌が荒れるのも当然でしょう。
コンビニ食が体によくないのはよく知られたことです。
たくさんの添加物、防腐剤の影響で、コンビニ弁当はいつまで経っても腐ることがなく、カビも生えません。
冬場の名物おでんはいい香りを漂わせますが、それぞれの具材がいつまで経っても出汁の表面に浮び型崩れしないのは、何の影響かを考えると恐ろしくなります。

そしてそれらをよく噛まずに早食いしたらどうなるか・・・。
そういった根本的な問題点をそのままに、サプリに手を伸ばすのがいかにも現代人ですね。
そしてこの食生活の影響で気分もイライラし、ストレスが溜まり、すべてが悪循環です。

現代人は生き急ぎし過ぎていると言いますが、生き急ぎは食べ急ぎに通じます。

一度の人生、ゆっくりと味わいましょう。
ゆっくりと味わえば、そこから旨味もにじみ出てくるでしょう。