言論の自由

今日は参議院選挙の投票日、今回の選挙は期日前投票数が19日時点で1417万人と最多を更新する勢いで、有権者の選挙に対する関心の高さがうかがえます。

今回の選挙の争点は増税、対韓国等の外交問題、安保、憲法改正等、重要問題が山積しており、今後の日本の大きな舵取りをして行く上で今回の選挙結果は極めて重要です。

投票日が悪天候だと投票率が下がると言われていて、今日の広島は朝から雨模様、九州や広島の各地ではまたまた災害級の豪雨に見舞われているようで、これが選挙結果にどう影響を与えるのか心配です。

ニュースではこの悪天候に加え、先日の京都アニメーションの放火事件、吉本問題のことをさかんに報道していて、民のレベルでも、日本が大きく変わろうとしている時であるように感じます。

日本は民主主義国家です。
民主主義とは国のあり方を国民自身が決めることであり、政治、表現、報道の自由を基盤とした上で、国民の直接選挙によって選ばれた代表を通して国を運営していきます。

そのためには様々な異なった意見を容認しなければなりません。
容認するというのは、まずはその意見や考え方の存在を認め、その上で批判なり反論があれば、それを述べる自由を行使することです。

この自分とは異なるものを存在から否定し、意見を述べること自体を妨害するというのであれば、それはこの民主主義の国では認められないことであり、あの中国共産党の民主化運動家を弾圧したのと等しい行為です。

特に選挙活動の上でこのルールは極めて重要であり、これは徹底して守っていかなければなりません。

偽造貨幣の流通がその国の経済基盤を根底から揺るがすように、公正な選挙活動の妨害は、民主主義の根幹を揺るがします。

国政選挙の活動においては、各党党首が全国を駆け回って街頭演説を行います。
与党自民党の党首である安倍総理も同様で、各地で多くの人を集め演説を行っていますが、今回の選挙においては、あまりにも反対派の妨害が多く、その日程を非公開としました。
<首相演説で妨害相次ぐ 聴衆に被害 公選法に抵触も(産経新聞) – Yahoo!ニュース>

この妨害行為ついては意見が大きく分かれています。
ひとつは悪質な選挙妨害は排除すべきであるというもの、そして他方は妨害、ヤジを飛ばす行為も言論の自由として守られるべきだというものです。

その妨害(ヤジ)行為とはどのようなものか、それを札幌で行った本人がtwitterにその模様をアップしています。

これを妨害とみるか、正当な反論を述べる行為とみるか、世論は二つに分かれていますが、自分はこれは単なる妨害行為であり、選挙における表現の自由を阻害するものとしか考えられません。

言論とかヤジというものは、その内容に意味や流れがあるものでなくてはなりません。
例えば増税について演説している時に、
「それより前に議員歳費を削減しろ!」とか、
憲法問題の話に際して、
「軍国主義化反対!」だとか、
そういった少しはその演説に対応した声を上げるのは、ヤジとして認められ、言論の自由を行使する権利と言えるかもしれませんが、上の動画を見る限り、安倍首相の演説内容とはまったく関わりのない
「アベ辞めろ~! 帰れ~!」という誹謗する声を上げるのは、とても正当な権利として容認することはできません。

もしこの声をあげた人物に知性というものがあるのなら、もう少しまともな内容の反論をするべきです。
これだと妨害目的で大音量のサイレンを流すのと同じです。

これがこの妨害者のブログです。
<本当のことなんか言えない(言えば排除される)|大杉 雅栄|note>

そのブログの抜粋です。

しかし、いざアベが話し始めても、一向にヤジは聞こえてこない。他の人に託していてもどうにもならないし、「ええいままよ」という感じで、「帰れー」とか「やめろー」とか叫んでみることにした。突然の大声に、聴衆が一瞬ざわつく。すると、ものすごい速度で警察が駆けつけ、あっという間に体の自由を奪われ、強制的に後方に排除されてしまった。同行のC氏が、僕が逮捕されないようにしがみついてくれたのだけど、一緒に後ろの方に押し流されてしまった。

警備に携わった警察はいい仕事をしたと思います。
こういった妨害行為をする人間は、その上げた声が二言三言で終わることはなく、延々と繰り返されるのが通例なので、対処は早いに越したことはありません。

ただしこういった妨害行為に対する排除が、与党の演説に対してのみ行われるのだとしたら問題です。
自分たちの主張を伝える権利は、与党自民党であろうが野党各党、立憲民主党、日本共産党でもみな平等に持っています。
そしてその権利が平等に守られているかどうかを厳格に監視し、もしそれが守られず、野党の演説会では無意味な誹謗中傷の妨害行為が公然と行われているのなら、それはネットメディア等様々な手段を通し、しっかりと主張すべきです。

自分はこの選挙演説の妨害行為は、立派な公職選挙法違反だと考えます。
再び妨害者のブログからの抜粋です。

ちなみに、このような行為に関して、選挙(演説)妨害だ、公職選挙法違反だということを言う人もいるが、向こうがマイクで喋っている際に肉声でヤジの一つ飛ばしたところで、別に演説の聞き取りに支障はないし、だいいち僕が叫んでいた時間なんて合わせても数十秒とかそのぐらいなので、妨害の要件を満たすとはとても思えない。だから、警察による今回の強制排除は、おそらく法的な根拠を欠いた、越権行為だろうと思われる。その証拠に、僕の行動を強引に止めにかかってきた警官のうち、誰一人として「公職選挙法」という言葉を出すことはなかった。強いていえば、彼らの頭の中にしか存在しない「アベ侮辱罪」にでも抵触したのかもしれないが、まあ、ふざけた話である。 

妨害か否かを客観的に線引きする基準は存在しません。
ですからこれをどう感じるかは、個人の主観に依存する部分が大きいでしょう。

けれどこのヤジは、その時に集まったであろう千人単位の人たちの大部分の耳に届き、それで演説内容が聞き取れないことはないとものの、その演説を聴こうと集まった多くの人たちの気分を害し、意識を逸らせる言葉による暴力行為だと考えます。

もうすぐ8月です。
8月6日は広島に世界初の原子爆弾が投下された日であり、その時の首相をはじめ、被爆者、海外からの要人を含む数多くの外国人、平和を願う多くの人たちが平和記念公園を訪れ、朝から始まる祈念式典で永久の平和を祈ります。

その厳かな平和祈念式典の最中も、平和記念公園の周辺では、自らの主張を大音量でがなり立て、静謐な式典の雰囲気を妨害するような行為が毎年行われています。

これなど倫理的に許されない行為ではありますが、言論の自由を許された日本では、これを取り締まることはできません。

けれどこれと同じ行為は選挙活動では許されません。
ただやみくもに演説内容とは関係のない誹謗中傷を繰り返す行為は、きちんと排除すべきであり、これは選挙ポスターを毀損するのと変わりのないことと考えます。

一般的に妨害活動というのは組織的に行われていることが多く、沖縄の基地反対派の活動は、抗議活動に参加する人間を日当を支払って雇っていたという情報があります。
<「沖縄の基地反対派は日当もらっている」MX報道 その根拠となる取材と証拠とは>

この選挙妨害が同様の形で行われていたのかどうかは分かりませんが、もしこのような行為が正当な権利の行使として認められたなら、選挙活動は一体どうなるのでしょう。
気に入らない政党、候補者の演説の最中に、
「帰れ~!」、「辞めちまえ~!」
など無作為に意味のない誹謗中傷を浴びせることが日常当たり前になったら・・・、そのことをよく考えてみてください。

もう一度ブログの抜粋です。

だいたい、法律違反やマナー違反だのをいう人は、アベがやってる憲法違反の可能性が高いアレコレ(たとえば集団的自衛権に関する安保法)や、数々の強行採決をどう考えるのか。公文書の改ざんとか、統計不正、権力を濫用しての知人友人への利益誘導とか、どうなるんじゃい。
 権力者による大きな不法行為・不正義には目をつむりながら、細かいルールを持ち出して、一般庶民の行動をどんどん規制する。最近の日本社会は、そのような風潮がいっそう強くなっているように感じるが、それが招くのは、単なる権力者への盲従ではないか。僕はそんなディストピアに住みたくはない。
(僕たちが警察によって排除されたことを喝采しているハッピーなネトウヨ諸君も少なくないが、恣意的な警察権力が行使される社会にあっては、その次の矛先は君になるかもしれないぞ) 

この人は安倍政権の施策が気に入らないということを、妨害行為の正当性と結びつけていますが、これはとても危険な考えであり、私刑(リンチ)容認の思想です。

民主主義国家では、民主主義のルールに則った上で自らの主張を述べるべきであり、それを逸脱した行為は許されません。

今はインターネットという素晴らしいメディアによって、政権やマスコミが民意を牛耳ることができなくなりました。
自らの意見を持つ人は、是非ともこの素晴らしいメディアを通し、多くの人にその意見の正当性をアピールしていただきたいと思います。

ブログでは自民党の強行採決を非難されていますが、強行採決は民主主義で約束されたルールの上に則った行為であり、もしこれが気に入らないのなら、強行採決ができないぐらい与党が少数派となるよう活動をするべきです。

警察権力が恣意的に行使されたとありますが、もしそれが事実であるならば、それを具体的証拠とともに述べてください。
今はネットの力によって、意義のある情報は瞬時に広まっていくでしょう。

自分はどちらかというと今は右翼的傾向のある人間ですが、今の与党が強すぎるのは、あまり良い状態だとは考えていません。
けれどやはり残念なのは、その与党と対立すべき野党に、応援したいというしっかりとした思想を持った政党が見当たらないことです。

この妨害活動をした人物は、自分の目から見ると、自分で自分の首を絞めているようにしか見えません。
彼の行為を正当化する人間は、たぶん今の日本では少数派でしょう。

強すぎる権力は、傲慢と不正を生む温床になりかねません。
その政権の襟を正す意味でも、是非とも野党に力をつけてもらいたいものだと考えています。

あくまでも民主主義のルールに則った上で。